「ピアノを弾けたら、きっと楽しいだろうな」
そう思って調べてみたけれど、ピアノ教室に通う時間も余裕もない。
「じゃあ独学でやってみようかな?」
そう考えてこのページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
でも、いざ始めようとすると「楽器はどうすればいい?」「楽譜なんて読めない…」「続けられるか不安」などさまざまな悩みや疑問が出てくるものです。
この記事では、大人になってからピアノを独学で始めた初心者の視点から、挫折しないための始め方と、最初にやるべき7つのことをわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、次のようなことがわかります。
・ピアノは本当に独学で弾けるようになるのか?
・最初に揃えるべきもの、気をつけること
・途中で挫折しないための習慣とコツ
・「大人から始めた人」が実際にやって良かった工夫
ピアノは、始めたその日からあなたの生活に音楽という彩りを与えてくれます。

ぜひ、このページをきっかけに「最初の1音」を踏み出してみてください。
大人からのピアノ独学、私にもできる?
「今から始めても本当に弾けるようになるのかな?」
これは、大人になってからピアノに興味を持った方の多くが感じる不安です。
子どもの頃から習っていた人と比べて、どうしても遅れを感じてしまうかもしれません。
でも安心してください。
ピアノは何歳からでも始められますし、独学でも楽しめます。大切なのは自分のペースで続けていくことです。
ここでは「大人だからこそ」の強みと心配しなくていい理由についてお話しします。
年齢を理由にあきらめる必要はない
「もう遅いかもしれない」「指が動かないのでは?」と心配になる方も多いですが、実際には60代・70代から始める人も珍しくありません。
ピアノを楽しむのに、プロを目指す必要はないし、好きな曲を自分なりにゆっくり弾けるようになるだけでも十分価値があります。
年齢を重ねると、新しいことを始めるのに勇気がいるのは当然。
ですが、ピアノは脳にも手指にもやさしい刺激を与える最高の趣味になります。
ストレス発散や認知機能の維持にも役立つと言われているし、「第二の青春」として始める方も多くいます。
誰かと比べる必要はありません。大人になった今だからこそ、自分の楽しみのために始めていいんです。
大人には「考えて練習する力」がある
子どもがピアノを学ぶときは、好奇心や吸収力が武器になりますが、大人には「理解して考える力」という別の武器があります。
たとえば、以下のような力は大人ならではです。
・指使いやリズムを理屈で理解して練習できる
・苦手な箇所を自分で分析して反復練習できる
・本や動画から情報を選び取る力がある
・「なぜ弾きたいのか?」という目的意識が明確
これは、独学において非常に大きな強みです。
最初は「楽譜が読めない」「リズムが取れない」などの戸惑いもあるかもしれません。
でもそれは、大人でも子どもでも同じ。違いは、その先に自分で工夫して進める力があるかどうかです。
ピアノの練習は、量より「質」が大事。
短時間でも、集中して効率よく練習できるのが大人の独学の強みです。
独学でも弾けるようになる?それとも教室に通うべき?
ピアノを始めたいと思ったとき、最初に悩むのが「独学でやってみようか、それとも教室に通うべきか?」という問題ではないでしょうか。
どちらにもメリット・デメリットがありますし、どちらが正解というわけではありません。
大切なのは、自分の性格や生活スタイルに合った方法を選ぶことです。
ここでは、独学が向いている人の特徴と、ピアノ教室との違いについて見ていきましょう。
独学が向いている人・向かない人
まず、独学がうまくいく人には共通する特徴があります。
【独学が向いている人の特徴】
・自分で調べたり考えたりするのが好き
・スケジュールが不規則で教室に通いづらい
・マイペースでじっくり進めたい
・費用をできるだけ抑えたい
・好きな曲を好きなように練習したい
独学では、自分自身で課題を見つけ、解決していく力が求められます。

「調べて実践するのが楽しい!」と思えるタイプの人にはピッタリです。
一方で、以下のような人は教室に通うほうが続きやすいかもしれません。
【独学が向いていない(通う方が合う)人の特徴】
・一人だと練習が続かない
・楽譜の読み方や指使いがまったくわからない
・姿勢や音の出し方に自信がない
・演奏の癖を直したい
・上達の実感が欲しい
独学でつまずく原因の多くは「これで合ってるのか分からない」という不安です。
とくに最初の数ヶ月は、小さな迷いが大きな挫折につながりやすい時期。
その点、教室に通えばすぐに答えをもらえる安心感があります。
ピアノ教室との違いと併用の選択肢も
ピアノ教室の大きな強みは「正しく導いてくれる先生がいること」です。
具体的には以下の点が独学とは異なります。
・姿勢や指の使い方を直接チェックしてもらえる
・苦手な部分をその場で修正できる
・モチベーションが下がったときも支えてもらえる
・上達に合わせた教材や練習法を提案してくれる
一方、時間や場所に縛られず自由に進められるのが独学の魅力。
最近は、YouTubeや練習アプリなどの学習ツールも充実しているため、独学でもかなりのレベルまで弾けるようになっている人も増えています。
ただ、どちらか一方に決めつける必要はありません。
「基本は独学、でも指使いや演奏のチェックだけ教室で相談」というように、併用という柔軟な選択肢もあります。
最近では、LINEで演奏動画を送ってフィードバックをもらえるオンライン型の単発レッスンも登場しており、「わからないところだけ教えてもらう」ことが気軽にできる時代になっています。
どちらの方法にもメリットがありますが、「続けられるかどうか」が何より大事なポイント。
あなたの性格やライフスタイルに合った方法を選んで、無理なくピアノを楽しんでいきましょう。
【7つのステップ】ピアノ独学の始め方とやるべきこと
「ピアノを独学で始めたい!」と思っても、実際に何から手をつけたらよいのか迷ってしまう方は多いはずです。
ここでは、完全な初心者が大人からピアノを始めるときに、【何から始めればいいか?】【どんな順番で進めればいいか?】を7つのステップに分けてご紹介します。

ひとつひとつ順を追って取り組めば、独学でも安心してスタートできますよ。
① 目標を決める(例:「この曲を弾けるようになりたい」)
独学をスタートするにあたって、まず決めておきたいのが「どこを目指すのか?」というゴールです。
たとえば――
「3ヶ月後に『エリーゼのために』の冒頭が弾けるようになりたい」
「来年の誕生日までにJ-POPのバラード1曲をマスターしたい」
「自分の好きな曲をコードで弾けるようになりたい」
など、具体的な目標があることで、毎日の練習にも意味と方向性が生まれます。
ここでのポイントは「完璧に弾く」を目標にしすぎないこと。最初から高すぎる目標は、挫折のもとになってしまいます。
「とにかく1曲を通して弾く」でも、「右手だけ弾けるようになる」でもOK。まずは自分がワクワクする目標を立ててみましょう。
② 自分に合った楽器を選ぶ
ピアノを始めるには、まず楽器が必要です。選択肢は大きく分けて以下の3つ。
・アコースティックピアノ(アップライト/グランド)
・電子ピアノ
・キーボード(入門用)
結論からいえば、「電子ピアノ」が多くの大人の独学には最適な選択です。以下の理由があります。
・音量調整やヘッドホン対応で、時間や環境を気にせず練習できる
・タッチがピアノに近いモデルも多く、指の練習になる
・比較的リーズナブルで、場所もとらない
もし本格派を目指す方や、表現力を育てたい場合は「アコースティックピアノ(特にアップライト)」を選ぶとよいでしょう。ただし防音・調律・搬入などの面でハードルは上がります。
逆に、キーボードは気軽に始めたい方の“お試し用”には向いていますが、鍵盤数やタッチ感が不十分なことも多く、独学を続けるなら電子ピアノ以上をおすすめします。
【チェックポイント】
・鍵盤は88鍵
・タッチはピアノに近い「グレードハンマー方式」や「木製鍵盤」がおすすめ
・ペダル付きであること(サスティンペダル)
あなたのライフスタイル・練習環境・目標に応じて、最適な1台を選びましょう。
③ 練習環境を整える
ピアノの上達は「日々の積み重ね」が命です。
だからこそ、「練習しやすい環境」を先に作っておくことが、独学成功の大きなカギになります。
● 椅子の高さと姿勢
・肘が鍵盤と水平になるように椅子の高さを調整
・椅子は深く座りすぎず、前の半分程度に
・背筋は伸ばし、丹田(おへその下)を意識
・指は軽く丸めて、手のひらに卵が入るイメージ
姿勢が悪いと、上達が遅くなるだけでなく、手首や肩を痛める原因にもなります。
● 練習時間の確保
「まとまった時間を取れないから…」と諦める必要はありません。
大人は1日10分でもOK。とにかく“毎日ピアノに触れる”ことが大事です。
理想的なのは、スケジュールに「ピアノタイム」を組み込んでしまうこと。
たとえば
・朝のコーヒー前の10分
・夕食後の15分
・寝る前の5分
自分の生活に「ピアノを弾くのが当たり前」という習慣を作ることが、独学を続ける力になります。
④ 教材・教本を選ぶ(初心者向けのおすすめも紹介)
独学でピアノを進めるには、「導いてくれる教本」や「サポートになるアプリ」が不可欠です。
最初に選ぶ教材は、次のような条件を満たしていると安心です。
・楽譜だけでなく、姿勢や弾き方の解説もある
・ト音記号とヘ音記号を同時に学べる
・説明がやさしく、イラストや図解がある
・曲の背景や作曲者の情報があり、読んで面白い
・手元の映像がある(DVD付きやアプリ)
最初の1冊(または1アプリ)は、「何を使うか」よりも「迷わず続けられるか」が大事です。
自分が「読んでいて気持ちが楽になる」教材を選ぶようにしましょう。
⑤ 練習の順序を決める
独学では「どうやって練習を進めればいいか」が迷いやすいポイント。
ピアノはとても複雑な動きを必要とする楽器ですが、基本のステップを押さえておけば安心して進められます。
以下の順序が、初心者にとって無理なく上達できる流れです。
【ステップ1:まずは片手ずつ練習】
右手(メロディ)を先に覚えることが多いですが、左手(伴奏)を先にやる人もいます。
どちらでもOK。自分が取り組みやすい方から始めましょう。
指番号とリズムを正確に覚えることを意識してください。
【ステップ2:両手でゆっくり合わせる】
いきなりテンポ通りに弾こうとせず、極端にゆっくりで大丈夫。
最初は「一緒に弾く」「左右交互に弾く」など、タイミングを身体に覚えさせましょう。
繰り返し弾くことで、少しずつ自然に両手が動くようになります。
【ステップ3:表現を加えて仕上げへ】
指が動くようになったら、音の強弱(強く/弱く)や間(フレーズ)を意識します。
自分の演奏を録音してみると、客観的に聴く力が育ちます。
「この音を目立たせたい」「ここで少し溜めたい」と感じるようになったら、演奏の深みに入ってきた証拠です。
上手くなってから両手で…ではなく、「下手なうちから両手にチャレンジ」するのがコツ。最初はガタガタで当然。焦らず少しずつ重ねていきましょう。
⑥ わからないところを調べる or 聞ける仕組みを作る
独学の最大の壁は「わからないときに教えてくれる人がいないこと」です。
たとえば
・楽譜の記号の意味がわからない
・指使いがこれで正しいか不安
・曲の途中で指が届かない
など、細かい悩みがたびたび出てきます。
これを放置すると、つまずきが積み重なり、やがて練習が止まってしまう原因になります。
対策としてオススメなのは
・ピアノの基礎本や教本の解説ページを読む
・YouTubeの信頼できる解説動画を見る
・ピアノ教室の単発レッスンやLINE添削を利用する
・X(旧Twitter)やブログで経験者に質問してみる など
特に、最近はLINEで動画を送るだけでアドバイスがもらえるレッスンサービスなどもあり、教室に通わずとも専門家の視点をもらえます。
「聞ける場所をあらかじめ持っておくこと」も、独学継続のコツのひとつです。
⑦ モチベーションを保つ工夫
独学で最大の敵は「孤独」かもしれません。
練習に慣れてきた頃にふと感じるのが、
「このまま続けて意味があるのかな?」
「誰にも聴かれないなら弾いても虚しい…」
という気持ち。
ここで練習を辞めてしまう人も少なくありません。
だからこそ、「小さな達成感」や「つながり」を感じられる仕組みをつくるのが大切です。
【モチベーションを保つ方法】
・SNSに練習ログを投稿する(X、YouTube、インスタなど)
1フレーズだけでも、投稿すれば「見てもらえる」という達成感が得られます。
・オンラインのピアノコミュニティに参加する
同じように独学している仲間と交流できると、励みにもなります。
・自分の演奏を録音して「昨日より上手くなった」を体感する
録音は自分へのご褒美。少しでも成長していたら、それは大きな前進です。
・発表会やオンラインイベントを目標にする
ピアノ教室主催のイベントに飛び入り参加できることも。人前で弾く経験は大きな刺激になります。
ピアノはひとりで弾くものかもしれませんが、「ひとりで続ける」必要はありません。
モチベーションの火を絶やさないために、誰かと少しでも“つながる仕組み”を持っておきましょう。
独学でよくあるつまずきと乗り越え方
大人がピアノを独学で始めたとき、思いがけないところでつまずいてしまうことがあります。
「思うように指が動かない」「楽譜が読めない」「ぜんぜん上達している気がしない」…
このような壁に直面すると、「自分には向いていないのでは」と不安になり、やがて練習から遠ざかってしまう方も少なくありません。
しかし、そうした“つまずき”は決してあなた一人だけのものではなく、多くの大人の初心者が経験しているものです。
ここでは特に多くの方がぶつかる3つの課題と、それぞれをどう乗り越えていくかを詳しく解説します。
指が思うように動かないとき
大人になってからピアノを始めた多くの方が、まず感じるのが「指がうまく動かない」という壁です。
頭の中では「次はこの音」と分かっていても、実際にはスムーズに指が動かず、もどかしい思いをすることもあるでしょう。
これは“指が不器用だから”ではありません。
単に「その動きに慣れていないだけ」なのです。
子どもは体の動きに対する適応力が高く、遊びの中で自然と指を使う機会も多いため、早く上達しやすい傾向にあります。
一方、大人はふだんあまり使わない指(特に薬指や小指)に命令を出す神経回路がうまく育っておらず、思うように動かせないことがあるのです。
【解決のポイント】
・無理に速く動かそうとせず、「ゆっくり・丁寧」に動かす練習をする
例えば、ドレミファソファミレド…という指の上下運動を、1音ずつ“置くように”弾いてみてください。テンポを上げるのは、動きが安定してからで大丈夫です。
・“ハノン”などの指のトレーニング教材を取り入れる
「ハノン」は地味ですが、1日5分ずつでも継続すれば確実に効果が出ます。
もっと優しい導入としては『おとなのハノン』『バーナム ピアノテクニック』などもおすすめです。
・指を動かす練習だけでなく、“脱力”も意識する
肩や腕に余計な力が入っていると、指の自由な動きが妨げられます。丹田を意識し、呼吸とともに体の力を抜く感覚を持つだけで、指の動きがぐっと楽になります。
指は“鍛える”のではなく“慣れさせる”ものです。

少しずつでも、続ければ必ずスムーズに動くようになります。焦らず、一歩一歩進んでいきましょう。
楽譜が読めずに止まってしまうとき
「音符を見ても“どの鍵盤を押せばいいか”分からない」
「ト音記号はまだしも、ヘ音記号になるとまったく読めない」
そうした“譜読みの壁”は、大人の独学者にとって大きなハードルとなりがちです。
学生時代に音楽から離れていた方ほど、“五線譜=苦手”というイメージが強く、文字通り「目が止まってしまう」のです。
【乗り越えるためのアプローチ】
・「中央のド」を基準にして上下に数える方法を身につける
鍵盤と楽譜の対応関係が明確に分かると、譜読みのスピードは格段に上がります。ドレミを書き込むよりも、自分で“数える”クセをつけるほうが、結果的には近道です。
・ト音記号とヘ音記号を同時に覚えられる楽譜を選ぶ
おすすめは『トンプソン 現代ピアノ教本』『リラ・フレッチャー ピアノコース』など。初心者でも“バランスよく”譜読み力を養える構成になっています。
・“見て理解する”ツールを活用する
YouTubeや練習アプリ(flowkeyなど)では、楽譜と鍵盤が連動して表示されます。視覚的な助けがあると、「あ、ここだったのか」と自然と覚えていけます。
楽譜が読めないと、練習そのものが止まってしまいます。
でも、これも「慣れ」の問題。
一音ずつ数えていた人も、半年後には見た瞬間に「ミだな」と分かるようになってきます。
それくらい、譜読みは“ゆっくり成長する力”なのです。
上達を実感できずにやめたくなるとき
独学で一番つらいのは、「がんばっているのに、全然うまくなっていない気がする」と感じる瞬間です。
これは、決してあなたの努力が足りないわけではありません。
ピアノという楽器が“上達が見えにくい”性質を持っているからです。
特に大人は“効率”を求めがちなので、成長が見えないと「このやり方で本当に合っているのかな?」と疑い、不安になり、やがて手を止めてしまう…という悪循環に入りやすいのです。
そんな時こそ、次の3つを試してみてください。
・“できたこと”に注目して、記録をつける
たとえば「今日は3小節、両手で弾けた」「1週間前よりスムーズになった」といった小さな前進を、自分のノートやSNSに書き残してみましょう。
・練習の様子を録音・録画して比較する
2週間前の自分と、今の自分の演奏を比べてみると、意外なほど上達していることに気づけるはずです。
「前は間違えていた場所が止まらず弾けている!」それだけで十分な進歩です。
・“誰かに見てもらう仕組み”を作る
X(旧Twitter)やYouTube、LINEオープンチャットなど、同じく独学でがんばっている仲間とつながることで、モチベーションが長続きします。
「見られること」は、ときに最大の練習モチベーションになります。
ピアノは“積み上げ型”の趣味です。
すぐに成果が見えるわけではないからこそ、「弾けた瞬間」は何ものにも代えがたい達成感を与えてくれます。
その喜びを信じて、どうか続けてください。
実体験から学んだ「独学で続けるためのコツ」
ピアノを独学で続けるには、技術よりも“気持ちの保ち方”が大切。
私自身、独学でピアノを始めてから何度もモチベーションが下がりそうになりましたが、それでもやめずにいられたのは、ちょっとした工夫を取り入れていたからです。
ここでは、実際にやってみて「これは効果的だった!」と感じた“続けるためのコツ”を3つ紹介します。
今まさに「続けられるか不安…」と感じている方は、ぜひ試してみてください。
好きな曲で練習すると挫折しにくい
最初にお伝えしたいのが「とにかく好きな曲を練習する」ということ。
これは独学で続けるうえで最も効果的なコツのひとつだと思います。
初心者向けの教本や練習曲は、基礎を身につけるうえでとても大切です。
でも正直なところ、「この曲に心が動くか?」と言われたら、そうでもないものが多いですよね。
感情が動かない曲を練習するのって、思った以上にしんどいんです。
一方、自分が大好きな曲や、思い出のあるメロディーであれば、たとえ1小節しか弾けなくてもすごく楽しいし、「もうちょっとやってみようかな」と思えるんですよね。

私は【30日でマスターするピアノ教本】で一通り弾ける実感を身に着けたあと、アンパンマンやジブリなどアニメ音楽が多く載っている楽譜本を買って練習しました。
完成度は決して高くありませんでしたが、「自分の力だけでも弾けた!」という喜びは、想像以上の達成感がありましたよ。
初心者用のアレンジ楽譜や、片手でも弾けるJ-POPなど、今はネットでも気軽に手に入るので、「教材のための曲」より「自分のための曲」を選んでみてください。
それだけで練習がグッと楽しくなりますよ。
完璧を目指さず「楽しめたらOK」の気持ちで
ピアノを独学で始めたばかりの頃、私は「間違えたらダメ」「最後まで完璧に弾けるようにならなきゃ」という気持ちが強く、うまく弾けない日が続くとすぐに落ち込んでいました。
でもある時、「自分はプロになるわけじゃない」「趣味なんだから、楽しめれば十分じゃないか」と思い直したことで、すごく気持ちが楽になったんです。
大人になってからピアノを始める人の多くは「趣味として音楽を楽しみたい」と思っているはず。
なのに、いつの間にか“完璧主義”に引っ張られてしまって、自分に厳しくなりすぎることってありませんか?
ちょっとくらい音を間違えても、指使いが変でも、1曲まるごと弾けなくても、「今日はここまで弾けた」「このフレーズ、いい感じだったな」そうやって“楽しめたこと”に目を向けると、練習はぐっと前向きなものになります。
ピアノは日によって弾きやすい日もあれば、全然うまくいかない日もある楽器。特に初心者は。
だからこそ、「今日は楽しめたな」で終われる練習のほうが、結果的に続くんですよね。
「完璧」よりも「満足」。

“音を楽しむ”という原点を忘れないでください。
自分の演奏を録音して変化を楽しむ
もうひとつのおすすめは「演奏を録音しておくこと」です。
これは、うまく弾けたときだけでなく、むしろ“弾けないとき”こそやっておくと効果抜群です。
というのも、ピアノの上達って、自分では気づきにくいんです。
毎日ちょっとずつ成長しているからこそ、「昨日と変わらない」「いつまでも下手なまま」と思ってしまいがち。
でも、録音しておくと驚きます。
1週間前、1ヶ月前の自分の演奏を聴き返してみると、「あれ?こんなにガタガタだったんだ」とか、「今のほうがずっと滑らかになってる」と、“変化”にちゃんと気づけるんです。
私はスマホを使って、気が向いたときにサッと録画するようにしていていました。
特に練習の区切りごとに残しておくと、「このフレーズが通して弾けるようになった」といった達成感が可視化されて、モチベーション維持にすごく役立ちます。
録音してSNSにアップするのもいいですし、自分だけの「音の成長記録」として保管するだけでもOKです。
自分の“音の変化”を体感できるのは、独学ならではの喜びのひとつ。
ぜひ、恥ずかしがらずに録ってみてください。未来の自分が、きっと感動します。
よくある質問(Q&A)|ピアノ独学を始める前に知っておきたいこと
ピアノを独学で始めようと思ったとき、「これで大丈夫かな?」「私にもできる?」と不安になるのは当然のこと。
ここでは、実際によくある疑問に対して、ひとつひとつ丁寧にお答えします。迷っている方の背中をそっと押せたら嬉しいです。
Q1. 楽譜が全く読めないのですが、大丈夫でしょうか?
A. 大丈夫です。最初は“読めない”が前提です。
ピアノ初心者の多くは、楽譜が読めない状態からのスタートです。最初からスラスラ読める人はほとんどいませんし、読む力は“練習の中で自然と身につく”ものです。
はじめは「ドレミ」が書かれたふりがな付きの楽譜や、見やすい譜面からスタートし、少しずつ「音符の位置」「記号の意味」などに慣れていけばOKです。
最初から完璧を目指さず、「まずは音を出して楽しむ」ことを大切にしてみてください。
Q2. 一日どれくらい練習すれば上達できますか?
A. 毎日15分でもOKです。大事なのは“続けること”。
たった15分でも、毎日コツコツ弾く習慣ができれば、確実に上達します。むしろ、最初から1時間!と気負うより、「ちょっと弾いてみようかな」くらいの気軽さのほうが継続しやすいです。
大切なのは、時間の長さよりも“練習を習慣化すること”。
5分でも鍵盤に触れる日を増やしていけば、いつの間にか「ピアノが日常の一部」になっているはずです。
Q3. 安いキーボードでも独学できますか?
A. 目的によってはOK。ただし、タッチ感と鍵盤数に注意。
本格的な曲を目指すなら、88鍵の電子ピアノが理想ですが、「まずはやってみたい」という段階なら、安価なキーボードでもスタート可能です。
ただし、次の3点はチェックしてください。
・鍵盤の数が少なすぎないか(できれば61鍵以上)
・ペダル接続が可能か
・鍵盤の幅がピアノと同じであるか
「タッチが軽すぎる」「鍵盤幅が狭い」などの仕様だと、後々上達の妨げになることがあります。
本格的に続けるなら、アコースティックに近いタッチの電子ピアノを検討しましょう。
Q4. 独学で“弾けるようになった”ってどこがゴール?
A. 自分が「弾けた」と感じたときがゴールです。
ピアノのゴールは、コンクールでも、発表会でもなく、
「自分が満足できるかどうか」です。
1曲を両手で通して弾けたとき。
誰かに聴かせて「いいね」と言われたとき。
好きなフレーズが気持ちよく響いたとき。
その瞬間ごとに、達成感があり、それがゴールであり次のスタートでもあります。
ピアノは“過程”そのものを楽しむ趣味です。
あなたのペースで、ひとつずつ「弾けた」を重ねていってください。
まとめ|ピアノを独学で始める大人へ──あなたの一歩を応援します
ピアノを独学で始めるのは、簡単ではありません。でも、
「やってみたい」と思ったその気持ちが、すでに最初の一歩になっています。
年齢は関係ありません。大人には、大人ならではの強みがあります。
考えて練習する力、自分の気持ちに素直になれる柔軟さ、
そして、「好きだから続けたい」という確かな動機。
もちろん、壁にぶつかることもあるでしょう。
でも、好きな曲に触れながら、自分のペースで続けていけば、
きっと「音楽のある生活」があなたの心を豊かにしてくれます。
迷ったときは、この記事のステップに戻ってきてくださいね。
そしてもし、「独学でちょっと不安…」「誰かに相談したい」と思ったら──
教材を選ぶところから指使い、フォームまで相談できるサポートもあります。
たとえば私が使ってきたのは、初心者のためのDVD教材『30日でマスターするピアノ教本』。
教室に通わず、ゼロから独学を続けてきた私にとって、頼れる“先生”でした。
▶ 詳しくはこちら
「30日でマスターするピアノ教本」レビュー記事へ
最初の一音を鳴らすのに、資格も才能もいりません。
必要なのは、「やってみたいな」と思う心だけ。
さあ、あなたも。今日から、鍵盤に触れてみませんか?
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